どらねこ路地裏研究所

医療や福祉、社会のことを路地裏から見て考える

ベビーちゃんは、なぜバスや電車の中で泣くのか

ベビーちゃんは泣くのが仕事です。

しゃべることができないのですから、お腹が空いたのも、オムツが汚れて気持ち悪いのも、暑いのも、ムズイのも、抱っこしてほしいのも、全部泣きます。

泣いて、口も喉も胸もお腹も手足も、すべて鍛えます。

ママも、察すること、思いやること、通じ合うことを学び、ベビーちゃんも通じ合う幸せを学びます。

だから、バスや電車で泣いても仕方ないだろう という話ではありません。

 

なぜ泣くのか

 

前提として、ひとつには、ママが何か用事があった時、首が座るようになったら、もれなく連れて外出しなければならないからです。

多くのママは、ワンオペです。

昔のように「はなちゃん、見ててあげるから、用事、足しておいで」なんて言ってくれる近所のおばさんはいません(いたとしても現在は、何かあったら責任はどうなるの?ボランティア保険は入っているのかしら、なんて考える時代ですから、簡単には頼めないと思いますが…)

この社会全体が、出産や育児を受けれいるヒトの群れではなくなったのかもしれませんね。

 

ベビーちゃんに必要なものと自分の用事の過不足がないように荷物を持ち、ベビーちゃんを抱っこし、何ならベビーカーを持って、勇者!いざ、出陣!です。

 

もうひとつは、言うまでもなく、こんなバスや電車の人ごみはイヤだからでしょう。

ママはバスや電車に乗る時、緊張します。

(泣かないでね、ちょっとの間だから)

ベビーカーなら(混んでいそうだから、たたもうかな…) 荷物もうひとつ増える

ママの不安や緊張は、抱かれている胸を通して、ベビーちゃんに伝わるでしょう。

そして、人近い、暑い、ムズイ、、、

泣きたくなりますよね

ミルクなの?オムツなの?どこかムズイの? おろして見てあげることもできません。

 

これがママのふつうの日常です。

でも、こんな大変な日常ってあるかしら

こんなことも1年足らずだと思えば歯も食いしばりますが、ギャン泣きされ、他の乗客から白い目で見られる瞬間は途方もなく長い時間です。

 

ママのワンオペも、バスも電車も、パッとは変わりません。

(いや、泣いても大丈夫)

(赤ちゃんも泣きたくなるよね、私もだ)

毎日どこかの神経をプチッと切って電車で通勤している私たちも、ヒトとして、異次元な日本人として、密かな連帯を感じますね