どらねこ路地裏研究所

医療や福祉、社会のことを路地裏から見て考える

パパの産休 ~ついでに

私にも恩師と言える方が一人二人おり、わが国の社会福祉の教授第一号、故三𠮷明先生もそのお一人で(出会った時はご高齢でしたが)家庭裁判所の調停委員もされていました。

娘さんが二人いるおばあさんからの離婚調停で、下の娘さんの結婚式の直後

「私はこの時を待っていました。上の娘が生まれた時も、下の娘が産まれた時も、女のところへ行っていて、下の娘が無事結婚したら、離婚しようと心に決めていました」

おばあさんの意志は固く、離婚は成立し、その後おばあさんは元気はつらつパートに通い、おじいさんは通い帳(アパートを持っておりその家賃集金のためのノート)を持ってトボトボ歩いている…

「男子学生諸君、奥さんは大事にし給え」

蝶ネクタイの向こうからおっしゃっていました。

 

先にも触れましたが、産前産後の女性は尋常(普通の感覚)ではありません。ホルモンから体全体もめまぐるしく変化しますから、精神的にも普通とは違います。

 

その時与えられたダメージは、今も昔も、多分、一生忘れません。

 

やさしく手を握り励まし立ち合い出産なんて、夢幻ですから、「すごいこと、叫んでいたね」「ひどい顔だよ」「赤ちゃんて、シワクチャなんだね」

産後も「ゆっくり寝ていて、いいね」「出産は病気じゃないんだから、できることはやってよ」なんて軽く言わない方がいいと思います。

 

出産はやはり命をかけた修羅場であり、母子ともに命を落とすことがまれになったのは、何十年ものお医者さんや助産師さん、その他多くの人の願いと努力の賜物です。

 

とりあえず、ネットは何でも教えてくれますし、何でもわかったように思うかもしれませんが、実際に直面するのは別ものです。

出産、家事共々、わからないことに足を踏み入れているのだと思っていただき、できないならできない、入らないなら入らない、遠くても「ミキティー!!」とずっと応援してくれたほうが平和かもしれませんね。